うつ病の症状は一つだけではなく同時にいくつも発症する、という特徴があります。

夜に寝付けなくて、朝早くに目が覚めるなど睡眠に問題があるだけでは

うつ病にかかっているとは判断しにくい物です。

睡眠障害と同時に抑うつ状態が続いたり、過食症拒食症といった摂食障害などを

同時に抱えてしまう可能性があるのがうつ病の厄介な点です。

つまり、うつ病という精神疾患の名前こそあれど、身体的にも相当な負担を抱えたり

障害を持ってしまうということから、心身に悪影響を及ぼす病気と言えます。

このページではうつ病と同時に発症しがちな症状をまとめました。

もし、当てはまる点がいくつかあれば医療機関に相談しに行くようにすると

医師の指導の下症状の改善に当たることができますので

放っておかずにできるだけ早めに処置を施せるようにしましょう。




精神的にも肉体的にも悪影響、うつ病の症状

睡眠4

1.抑うつ状態(抑うつ気分)

抑うつ状態(抑うつ気分)はうつ病の代表的な症状の一つです。

何となく元気がない、落ち込んでいる、返事に活力が感じられないなど

一見するとただ「今日は元気がないのかな」と認識されがちなものですが

これが1週間、2週間など長期間続くものになるとうつ病の疑いが強まります。

周りからは「休日をはさめばまた元気になるだろう」や「最近疲れがたまってるから」など

どちらかと言えば肉体的な疲労が表面に出ているから元気がない、というように

誤認されてしまう事から、毎日顔を合わせるくらいの頻度で付き合いのある人でなければ

ちょっとおかしいな、と気付くことができないこともあり得ます。

抑うつ状態(抑うつ気分)が続いているのかも、またはいつもと様子が違うと

気になる点を見つけた周りの人は、できるだけ早めに本人と話をしてみるようにしましょう。

というのもこの症状が2週間続いてしまう事からうつ病と診断されるケースが多いためです。

心身がダメージを受けているとはいえ、まだ会社や学校に出る余裕があるうちに

手を打っておかないと退職・退学のきっかけになりかねないためです。

2.睡眠障害

睡眠障害もうつ病と同時に抱えてしまいやすい症状の一つで、うつ病患者の半数以上

抱えるほどの併発しやすい障害です。

夜に布団・ベッドに入っても入眠するまでに1時間近く時間が必要であったり

朝7時に目が覚めればいい生活を送っているのにもかかわらず、4時や5時に目が覚めるなど

予定していた時間よりも早く目が覚める場合も睡眠障害と言えます。

うつ病の人は主にストレスが原因で自律神経、交感神経が働き

常に体が緊張状態でいわば攻撃モードのような状態になっています。

筋肉に常に力が入り、感覚は研ぎ澄まされた状態では睡眠に適してはいません。

入眠する前には自律神経、副交感神経が働き、リラックスした状態で休息の準備に

入っているようにするべきなのですが、交感神経が働いているうつ病の人は

入眠しづらく、睡眠の効果も薄く、早くに目が覚めやすい状態と言えます。

また、逆も然りで睡眠障害が原因でうつ病になることもあり得ます。

睡眠は本来、脳や身体、内臓を休めるための習慣です。

睡眠障害によって十分な睡眠効果が得られなければ

必然的に脳の回復が遅れるのでストレスへの抵抗力も弱まってしまいます。

そのため、目に光の刺激を与える寝る前のテレビ・パソコン・スマートフォンの使用を

控えることは、身体にまだ明るい時間帯と錯覚させないため、入眠効果を上げるので

そのままうつ病予防の対策になり、睡眠の効果も上げることができます。

3.思考力の低下

うつ病の原因となるストレスがたまった状態では、人間の脳はしっかりと働きません。

脳にストレスがたまる、疲労がたまっていくと知覚や理解・判断能力が低下していき

それと同時に物事を考える力も衰えていってしまいます。

仕事中に段取りを組んだり、勉強をするために準備をしたり、どの教科から

取組めば効率的かを考えられなくなり、症状が進んでいくと何も考えられずに

ただボーっとしてしまう時間が増えてしまいがちになります。

これが原因で家族とも会話をろくにせずに自室にこもりがちになる場合もあります。

4.意欲の低下

ストレスは思考能力を奪うだけでなく、意欲も人間から奪ってしまい

うつ病の症状としてその人から何かをしようという気力も奪ってしまいます

今までテレビ中継でひいきの野球チームを応援するのが趣味だったのに

いきなり面倒に感じられたり、料理が趣味だったのに食事を用意するのもおっくうに

感じられるようになるなど、物事への興味関心が薄れてしまう症状もあります。

これが原因でどこにも行かなくなり、休日はただベッドの上でじっとしているだけの生活に

なることもあり得ることになり、運動不足栄養失調になることも考えられます。

5.処理能力の低下

3.思考力の低下4.意欲の低下、この処理能力の低下いずれも

前頭葉へのストレスがたまっていることから引き起こされる症状と言えます。

前頭葉は情報処理や感情、言語を司る脳の器官で

機能が低下すれば思考力・意欲、情報処理能力が衰えます。

新聞や本を読もうとしても中々頭に入らなかったり、何度も見返したりしてしまったり

人の話を聞いていても何をしたらいいか、次の行動はどうしたらいいのかを

パッと考えられなくなってしまいます。

こうなると働いている人であればストレス→処理能力の低下→仕事のミス→叱責→ストレス

ようなパターンに陥り、休職や退職の原因にもなりかねません。

6.摂食障害

うつ病と同時に発症しやすい障害は睡眠障害だけでなく

過食症拒食症などの摂食障害もあります。

ストレスが原因で脳に疲労が蓄積されていけば、その脳の栄養となる糖分を摂取しようと

お菓子やご飯、麺類、パン類などの炭水化物、砂糖やハチミツなどの糖分そのものを

多く含んだ食事に偏ってしまい、量も多くなる過食症

単に食べる事への意欲がストレスにより失せてしまうのが拒食症といった具合です。

拒食症によってうつ病の改善に必要なビタミン・ミネラル・アミノ酸が摂取できないのも

危険ですが、過食症によって糖分の過剰摂取になることも危険です。

糖分を過剰摂取すると血糖値を下げようとインスリンが大量に分泌されるようになるので

今度は著しく血糖値が下がり、空腹の状態になりやすくなります。

そのため糖分過剰摂取→インスリン大量分泌→血糖値大幅に減少→空腹→また食べる

というサイクルが出来上がってしまい、うつ病だけでなく糖尿病などの

生活習慣病のリスクも引き上げてしまいます。

7.疲労

肉体的な疲れだけならまだいいのですが、上記のように脳にストレスを抱えた状態では

精神的にも疲れやすくなります。

ストレスが原因で意味もなく常に交感神経を刺激され興奮状態になっている事と

脳の情報処理能力を始め機能が低下していることから効率的な行動を起こせなくなり

余計な仕事や活動まで増えることになっては身体に疲労が蓄積されていくのは当然です。

うつ病も疲労も基本は休息が改善への第一歩なので、十分な休憩・睡眠時間を確保し

その日の疲れやストレスを翌日に回さないようにしたいものです。

8.ホルモン異常

ストレスを受け続け、うつ病の状態に近くなると男性は性欲の低下やインポテンツなどの障害

女性は月経不順など性別に抱える問題が発生します。

いずれもストレスが原因でホルモンの分泌が正常に行われなかったり、バランスが崩れたり

するのが原因ですが、どちらが先でどちらが後という明確な違いはありません。

9.自殺願望が芽生える

うつ病の状態は常に自分のストレスや不安・恐怖と戦っている状態とも捉えられ

マイナス思考が進んでいくと「自分がいない方がいいのではないか」

「誰かの迷惑になるなら消えてしまった方が良いのでは」と考えるようになってしまい

自殺願望が芽生えてしまう人もいます。

うつ病は放っておくと必ずと言っていいほど重症化していきます。

今は忙しいから、時間が取れないからと受診を引き延ばしにしていくと命の危険にまで

及ぶ可能性を持った恐ろしい病気の一つなのです。

現に、今の日本の大学生の死因第1位は自殺で、その自殺した学生のうち2割以上が

うつ病を持っていたというデータもあります(2015年調べ)

10.その他の症状

他にも頭痛腹痛身体の痛み呼吸困難焦燥感に駆られる、騒音がやたらうるさく感じる

などの症状があります。

以上に挙げた症状が複数個2週間以上続いている人には医療機関での受診をお勧めします。

かかりつけ医(内科)の方でも良いですし、心療内科精神科での受診も今後の生活を

改善するための助けになるので、自分の命を守るという意味でも早めに受診しましょう。