認知療法は人間のその場面ごとに抱える考え方や感情に目を向けて、

歪みを修正しながらストレスや恐怖を緩和する治療法です。

といっても、専門的な知識や医師の協力が必要となるわけではありません。

紙とペンがあればうつ病予防・改善に役立つ認知療法が5分で行えます。



ネガティブ・マイナス思考が招く悪循環


回復の兆し2

うつになると日常生活から受けるストレスに過敏に反応し、泣き出したり喚きだすなど

感情のコントロールが上手くできなくなってしまいます。

この立ち振る舞いから更にネガティブ思考に陥り、思考パターンが歪んでしまう、

感情を吐き出すために物に当たったり自傷行為を行うようになります。

思考と感情はつながっているので、認知療法によって思考を正常に戻すことで

うつ気分を緩和・改善することができます。

1日5分、紙に書きだすだけ


受診の流れ4

認知療法と名前はありますが、やり方は複雑でなくいたってシンプルなものです。

1.状況を書き出す

例えば職場や学校でプレゼンテーションを行う時に、失敗してしまったことから

ネガティブ思考に陥ったとしましょう。

この状況を日付と時間、場所、誰が、何をしていたか、を書き出します。

<例> 5月15日(月)AM10:00 職場でプレゼン 失敗した内容と症状

2.その時の感情をありのままに書き出す

ネガティブ思考に陥った時の自分の中に生まれた感情や言葉を書き出します。

<例>取引先から契約をもらえるかどうかが決まる大事なプレゼンなのに、

書類を忘れてしまって印象を悪くしてしまった。

もう自分はダメだ、周りからも軽蔑されるし仲間も離れていってしまう。

そうなったら明日からどんな顔で職場で振る舞えばいいのか、

上司からも見放されてしまってもう終わりなのではないだろうか。

3.認知の歪みを見つけ出す

うつ病の人には凝り固まった思考パターンが存在し、自分はどれに該当するか書き出します。

マイナス思考:なんでもない事でも悪い方向へ考える

決めつけ:何でもかんでも○か×か、成功か失敗か両極端になる。中庸的に受け取れない。

妄想:自分の失敗から周りの人が抱く感情を勝手に推測する。

完璧主義:自分はこうじゃなきゃいけないと妥協せず、常に100点を目指しがち。

などの認知のゆがみを洗い出します。

4.認知の歪みを修正し、客観的・合理的な考えを書き出す

ネガティブ思考に凝り固まらないように、客観的・合理的な考えに向けるように修正します。

<例>書類を忘れてしまったが何とか乗り切ることができた。

もしこれが流れてしまっても次が無いわけではない。

今後は事前の準備を怠らないように気を引き締めることができる。

ミスしたことで周りから軽蔑されるのは仕方がない。

上司にも誠心誠意謝罪を行って気持ちを切り替えて明日からまた頑張ろう。

このように、自分のその時の思考を書き出すことで、頭がずっと凝り固まった状態になる

ことを避け、少しずつポジティブに物事をとらえられるようになっていきます。

余裕があれば習慣化を目指す


認知5分

1日5分紙に書き出すことを習慣にすることで、少しずつですが

着実に事態の改善に向かう事が可能になります。

まずは、取り組む時間を作り出すことが大事です。

帰りの電車の中や夕食が終わってから、お風呂上りや寝る前に少し時間を見つけて、

定期的に行う事で習慣化されます。

しかし、紙に書き出すことにも気力がわかない時は素直に休むようにしましょう。

医療機関を受診している場合は担当医と相談した上で行うかどうか判断しましょう。

認知療法へさらに理解を深め、実施する場合は担当医から指導を受けるか、市販の自習本

セルフヘルプ本などのハウツー本が販売されていますので参考にしてみてください。